俺が女の子を連れて椎の病院…椎が院長を務める総合病院にやってきた。


すぐに椎に取り合ってもらって産婦人科で診てもらい薬をもらって飲んだ。



なんとかとりあえず薬を飲んだことで最悪の事態は免れて安心したのか
女の子は病院の中庭のベンチに座るとポツリポツリと話し出した。






「昨日の朝、登校してたらあの人に連れていかれてあんななってたんです」



「そうか」



「私、高校1年の岡田 音羽(おかだ おとは)って言います。本当に助けていただいてありがとうございます」



「俺は木下椛」







事情を説明して名乗った女の子におりはに似た名前で一瞬焦る。


まぁ何はともあれ助けられてよかった。






「どうして助けてくれたんですか?
見る感じ自分に得がないと面倒事に首を突っ込まないタイプに見えるので意外です」





音羽は俺にそう訪ねて首を傾げた。


その質問には答えるしかなくて
大切な人が約4ヶ月行方不明だということを話すと、散々ニュースになってたからか知っていた。






「沖田おりはさんですよね…。
手がかりはないんですか?」



「ない」



「そうですか…
私も探してみます」






音羽の気遣いに感謝して素直にお願いする。