警察にも親にも言いたくない。

そういう女の子を救うことが出来るのはもうあとは病院に連れていく以外ないか。






「本当に警察いいんだな?
このクズ男に何も罰はなくていいのか?」



「はい…二度と関わりたくないですしあなたがボコボコにしてくれたのでもういいです…」



「そうか。
じゃあ病院に行くぞ。妊娠したら困るだろ」






涙を零しながら震える女の子の腕を引き、立たせると、その子は少しだけ笑った。






「わざわざありがとうございます…」






自分がボロボロのくせにそう言って笑う女の子になんとも言葉を返せず俺は無言で叶の方を振り向くと


叶はクズ男の傷の手当をしていた。






「何してんだよ」



「傷の手当する代わりお前に殴られたこと内緒にするって契約結んだの」



「警察に言わないでやんだからそんな契約いらねぇだろ」



「はいはい、ほらお前はその子連れて早く病院行って」






やっぱり叶のすることに納得は行かないがもう好きにさせておこうと思い俺は女の子の手を引いて歩き出した。




こんな昼間にあんなことするバカもいんだな。