頭に血がのぼり、おりはのあの苦痛な顔を思い出してチャラ男に俺は殴りかかった。



ゴスっと言う鈍い音と共に俺の右手にも痛みが走って殴ったと頭で理解した。




それからは無我夢中でこいつを消そう。

こいつみたいなのを全て消そう。




そんな感情だけでボコボコと殴り続けた。






「死ね!死ね!!」






このままこいつを殺してやる。
そのくらいの勢いで殴り続けていると


叶が殴り続ける俺の手を掴んで男から離れさせてきた。






「離せ!!」



「やりすぎ!!お前顔怖いよ!!
あの子はおりちゃんじゃない!!!」






叶のその言葉に一瞬で頭が冷えるのがわかった。



そうだ、あの人はおりはじゃなかった。
ここで俺がこいつを殺したらおりはをヤッた犯人を殺せない。




そう一瞬で考えた俺は立ち上がって女の人に歩みよった。






「大丈夫か?警察に行くだろ?」






女の人…否、隣の高校の制服を着た子は首を振って涙を流した。






「こんなの恥ずかしくて親にも言えません…。警察に行ったってバレたら好奇の目で見られる…だったら私はなかったことにしたいです…」






そう言ってボロボロ涙を零して震える女の子をみておりははもっと辛い思いしてるだろうと心がはりさけそうになる。