痛くて辛い。早く終わって欲しい。



椛には見られたくない。
嫌われちゃう。



そんなことを未だに考える自分を心の中で笑いながら、瞳を閉じた。



瞳を閉じると開けている時より行為の痛みや逃れられない不思議な感覚が敏感に伝わってきて今ここで舌を噛んで死にたい気持ちになった。






「おりは…おり…は…」






近くで椛の苦しそうな声と、話すををすする音が聞こえてきてきっと泣いていることがわかった。



強くて優しい椛を泣かせてごめん。


ダメな彼女でごめんなさい。



たとえ無事で帰れても私は生きて行けないかもしれないから。ずっと死にたいから。



だから椛は私のことを忘れて生きて欲しい。




お父さんとお母さんとも結局話しができなかったな…。






「ごめんなさい…」






ごめんなさいダメな彼女で。

ごめんなさいダメな娘で。

ごめんなさいダメな幼なじみで。

ごめんなさいダメな姉で。



ずっと心の中でそう唱え、溢れる涙に気づかれないように歯を食いしばって泣いた。




その後もおじさんだけでなく、ヤクザ集団のみんな。


色んな人と一つにならされ、その度に写真を取られた。




その間ずっと椛は落ちていく体力と悔しさと戦うように声を押し殺して泣いていた。




ごめんね、椛。