再び私の意識が戻ったのはどれくらい経ってからなのか…。
目を覚ました私は家にはいなくて
どこか、廃墟のようなところで縛られて放置されていた。
顔を殴られた時の痛みと、下腹部の痛みで流行りさっきのは現実なんだと吐きそうになるのを堪え辺りを見回す。
「あ、おりはちゃん起きた?」
「っ…」
私がキョロキョロと転がされてるから見えにくいのを見ていると、家にいたおじさんが私の髪を触ってきた。
それに対してゾワゾワと背筋がなるのを感じながら、言葉を発さずにいると
おじさんは私をお姫様抱っこする形で抱き上げる。
「ここ、廃病院なんだよね。」
「……」
「こんなところに1人放置されたりしたら死んじゃうよね?」
「……はい」
「うんうん、俺は君のファンなんだ。
街で見かけた時あまりの美貌に惚れてさ、俺のものにしようと思った」
おじさんは訳の分からない事をたんたんと楽しそうに言うのがただただ怖くて、ガタガタと体が震えるのが分かる。
「でも、君のあとをずっとつけてたら椛くんと同じ部屋に住んでたり彼氏だったりって分かって嫉妬したよ。
だから早く俺のものにしようと思って少し、椛くんに意地悪しちゃった」
「え…?」
おじさんは楽しそうに笑ってそういうと
扉が開いて、ガラの悪い男の人に抱えて連れてこられたのは椛。
その椛の姿は口の端は切れ、顔にも青アザができていて血だらけの状態だった。


