「椎くん、私のこと沢山殴ったり蹴ったりのDVしてたの。
だからおりはちゃん連れて離婚するって言ったら凄く怒って、おりはちゃんは置いて行かないと殺すって言われて…」
「そんな…」
「だからおりはちゃんと離れたくなかったけどそうするしか無かった…。ごめんね…。
それが知られたくなくて多分椎くん隠してたんだと思う。」
そう言いつつ涙をポロポロと流す亜美さんが嘘ついているようには見えなくて
でもお父さんがそんなことするなんてのも信じられなくて頭が混乱する。
それともなにか食い違いがあるのだろうか…。
「ずっと隠れて見守ってて、やっと声掛けられた」
亜美さんは涙を流しながらも私に笑いかけてきて、戸惑いが増す。
どうして教えてくれなかったの、とか
本当なの?とか
でも確かに何も無ければ教えてくれるよね、じゃあやっぱり隠したくて言わなかった…?
色んな思いが込み上げてきて、私が言葉を発せずにいると
亜美さんは私の手を取って笑った。
「私と一緒に暮らさない?
今すぐ決めろだなんて言わないから、考えて?」
混乱している私は亜美さんのその言葉には頷くしか無かった。
「じゃあまた何か話したい時は連絡してね」
亜美さんはそういうと、連絡先の書かれた紙を置いて出ていってしまったのだ。
私は一体どうしたらいいのだろう…。