【おりはside】



亜美さんに変な事を言われた翌日。



お父さんは朝から仕事で今日はオペも入っているみたいで遅くなると聞かされた。



お母さんに聞いてみようかと思ったけど、何となく聞いたら悲しませそうな気がして話を切り出せずにいる。






「椛、昨日の話だけど」



「あ?興味ねーよ」






私は椛と話そうかと思っても椛は興味無さそうにケータイをいじってしまうから聞けないしなぁ…。


叶ちゃんは遊びに出かけてるし。




どうしようかな、と考えてとあることを思いついてしまった。






「椛私ちょっと出かけてくるね」



「は?どこ行くんだよ」



「ちょっとそこまで!」






お母さんにもお父さんにも椛や叶ちゃんにも聞かずに亜美さんの言葉の真意がわかる方法。




そんなの良く考えれば簡単な事だったんだ。





私は椛の怪訝そうな視線を背中に受けつつ家を出た。




そう、出会えるかは分からないけど、誰にも聞けないなら本人に聞くのがいちばん早い。と私は外に探しに行くことにしたのだった。