僕が応えると、椛は僕と椎と美咲ちゃんを睨みつける。
「お前ら最低だな。
ずっとおりはのこと騙してんだな」
「…高校卒業するくらいに言おうと思ってるよ」
「遅くね？まぁ遅かれ早かれバレるだろーな」
椎は辛そうな顔で肩を落としており、僕はなんにも言えなかった。
椛は冷たい視線を向けると、ドアを開けて出ていこうとする。
その背中に椎は声をかけた。
「おりはには言うなよ」
「さーな、俺の気分次第だな」
そんな言葉にも椛は振り向きもせずそう言い放って出ていってしまったのだ。
残った僕達は、椛が内緒にしてくれることと
もう亜美さんが近づいてこないことを願うことしか出来ず
重い空気が流れるのだった。
僕は何とかしてでもおりちゃんを守りたいから、出来るだけおりちゃんの傍にいようと心に誓って部屋を出た。
