亜美さんのさっき言っていた本当のお母さんと言うのが引っかかって、亜美さんを振り返ると
亜美さんはニヤリと笑って手を振った。
「おりはちゃん、椎くんによろしく言っておいてね」
亜美さんは手を振りながらそう言って私達に背を向けて言ってしまう。
椎くん…お父さんのことも知っている…?
どういうことなの…?
「おりちゃん、あんな変な人のこと気にしない方がいいよ」
「き、叶ちゃん…?」
「椛も、気にしないでね」
「……」
私と椛の手を引っ張りながら振り向きもせずいつもより強い口調で言った叶ちゃんの様子がおかしくて
気にするなと言われたのに気にしてしまう。
椛を見ても何を考えているのか分からない顔で黙ってるし…。
亜美さんは何者なの??
なんであんなこと言ったの??
お母さんは本当のお母さんじゃないの??
そんな疑問が次々と私の中に浮かんできて
気にしないなんて不可能なことだった。
初詣に来てこんなことになるなんて思ってもなかった。