どうして私と椛の名前知ってるんだろう、と不思議で私が言葉を返すことなく見つめていると


椛が女の人を睨みつける。






「誰だよおばさん」



「私は佐久間 亜美(さくま あみ)
お兄さん…叶くんはどこ?」






椛の失礼な言葉には何も返さず、佐久間亜美さんは叶ちゃんの名前を出してふふっと不敵に笑った。



どこか不思議な雰囲気の亜美さんに私も椛も何も言えずに見つめ合う。



すると、亜美さんは衝撃的なことを言い始めた。






「私、おりはちゃんの本当はお母さんだよ?
ほら、小さい時の写真あるし」



「え…?」



「は?」






亜美さんがそんなことを言ってケータイの画面を見せて来ようとした時






「おりちゃん!!!!」






と、鬼気迫る声で私と亜美さんの間に入って私の視界を塞いだのは叶ちゃん。




叶ちゃんの聞いたことも無い声に驚いていると、隣の椛も驚いたのかキョトンとして固まっていた。






「弟とおりちゃんに何か用ですか?」



「あら、叶くん。久しぶり」



「僕あなたのこと知りませんけど。
行くよおりちゃん、椛」






叶ちゃんはやっぱり今まで聞いたことないような怖い声で亜美さんにそう言って私と椛の手を引っ張って歩き出す。