「なんで止めないんだよバカ女」
私から少し離れた椛はそう言うけど
言葉とは裏腹に優しく色っぽい顔で私ら目が離せない。
「嫌じゃ…なかったから…」
なんで嫌じゃないのかと聞かれると分からないけど
でも嫌じゃないんだもん。
そんな私の言葉に椛は再度顔を近づけて口付けを繰り返す。
口が悪くて乱暴な椛なのに
触れる唇は優しくて、まるで椛の本性が伝わってくるようだった。
「バカおりは」
椛は苦しそうにそう呟いたあと、私を押し倒して再度口付けをした。
何度も何度も重ねられる口付けに
頭がとろけそうな感覚になる。
私がぼーっとしていると、椛はスルスルと腰の地肌を触られて途端に恥ずかしくなった。
よく考えたら私今上半身ブラだけだ…。
「は、恥ずかしい…」
私は自分の顔を隠して椛に言うと椛は私にパパっと服を着せて離れた。
「普通の男相手にそんなもんの抵抗じゃ通用しないからな」
そう言うと、椛は自分のパーカーを私に投げて立ち上がる。
「それ着て跡隠しとけよ」
そう言うと、椛は部屋から出ていってしまった。
椛のパーカーに袖を通して鏡を見ると、綺麗に首元の跡も隠れていて貸してくれたのに納得した。
鏡を見ながら今さっきまでのことを思い出して、1人で顔を赤くしたのはここだけの秘密。


