床に叩きつけられた体が痛むのを顔を歪ませて耐えて椛を見ると
椛はさっき同様怖い顔のまま私を見下ろした。
「お前のそれはなんだ」
「なに?」
「首のそれはなんだっつってんだよ!」
椛はそう怒鳴ると鏡を私に投げつける。
私は投げつけられた鏡で自分の首を確認すると
なんだか知らない赤い跡が着いているのに気がついた。
これに椛は怒ってる??
「なんでキスマークが着いてんだ!!!
誰に付けられた!!」
椛の怒鳴り声に驚いてこれがキスマークというのかと思うが、誰に付けられたと言うとわからない。
だって知らないうちについてるんだもん。
私の反応で何かを察したのか、椛が私を次はベッドに投げ捨てると
倒れた私に馬乗りになるように覆いかぶさってきて、何をされるのか少し怖い。
「今からすること、誰にされたか言えよな」
「え?ちょ、も、椛!」
椛は私の首に顔を埋めて唇を押し当てた。
その直後さっき裕太くんにされたような痛みがあって、思わず『あっ』と声を上げてしまう。
「松村か」
「え、えっと…」
椛は私の顔を見て確信したのか、チッと舌打ちをした。
さっきと同じ感覚だったけど、さっきとは私の心臓の速さが桁違いで
ドキドキと鳴って痛いくらい。


