夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

寧ろ、ざまぁみろとかって思う。私をいじめたからその罰が自分にかえってきたみたいで。だけど元は友達だった。

臆病で優しい人で琥珀色の髪をツインテールに結んで、それを風になびかせていた。真っ直ぐな鼻筋にぱっちりと大きな目、太い眉毛。彼女のことをきっとこの高校で一番よく知っているのは私のような気がした。

「私は助けに行くよ」

「いいの?そんな人助けて」

仁菜が目を丸くして心配そうな顔をしているのは言うまでもない。

「助けたいの。やれるかどうかわからないけれどさ」

変わりたいんだ。新たなる自分に。

私は唾を飲み込み、覚悟を決めた。いざ行けば拒まれるかもしれない。いじめの標的がまた私になるかもしれない。でもそんなのはどうでもよかった。

「やめときなよ。絶対痛い目見るって」

自分から言ってきたくせに止めてくるのはどうかと思ったけれど、これが彼女の優しさなのだろう。

確かに私は咲結を助けることで、仁菜を助けられなかった罪を償おうとしているのかもしれない。

脳裏にまた、仁菜の自殺シーンがフラッシュバックしてくる。

辛い思いをして仁菜のように自殺するところを二度も目にすることになるのは嫌だ。

「ごめん、私はそれでもやりたいんだ」