夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

翌朝、ザアザアと雨が降る中、仁菜のお葬式が開かれた。

私はそんなことを知っておきながらも、ベッドの上で膝を抱え、そこに顔を埋めていた。

お葬式なんて行きたくない。仁菜がこの世界からいなくなってしまったことを、まだ受け入れれてないからだ。

たとえ誰も信じないとしても私だけは信じていたい。仁菜はまだこの世界にいるんだって。

そうでもしないと私はこれからの人生を一人で生きていけないだろう。

せめてあと一度だけでもいい。仁菜に会わせてほしい。約束を守れなかったことを謝りたい。そして彼女に募っていた辛い気持ちに寄り添いたい。互いに笑顔でお別れをしたい。

今の私に残っているのは後悔ばかりだ。だからそれを少しでも消し去りたい。

気づけば私は外に飛び出していた。どしゃ降りの雨の中、緑色のブラウスに黒いスカートという制服に腕を通して。

幼い頃はよく仁菜と一緒に神頼みに神社へ行ったっけ。

懐かしい思い出が頭の中に蘇ってくる。

毎年の初詣や合格祈願など、ことあるごとに行っていたような覚えがある。

あの神社にから祈れば仁菜に会えるのかもしれない。

神頼みだなんて馬鹿らしいとか、思う人もいるかもしれない。私は今、一人ぼっちでこの世界を生きているから。でもそんなのはどうでもいい。

私達は幼い頃から神様を信じてきた。寂しがりやな私達でも、信じていればいつかは報われるっていう一心で。