そりゃ今の私や椿や咲結にとっては、まだまだ一緒の日々を過ごせるわけだし、仁菜の言う通りいいことづくしなのだけれど……。
「それでいいの?仁菜は。誰も知らない人がいないところにたったひとりぼっちで、いくんだよ。不安じゃないの?寂しくないの?」
あの世とはどんな場所なのか。それは逝った人にしかわからない。だからひとりで逝くより、ふたりで逝った方が安心安全なはず。
もしかして仁菜は私達の幸せのために自分を置き去りにする気?そんなの……優しすぎるよ。
「全然」
首をふるふると横に振って、仁菜は微笑んだ。
「だって咲結と東山君、そして胡桃の幸せが私の幸せだから」
そう言う仁菜の笑顔はまるで、花開くように明るい。嘘や偽りない言葉なんだと悟った。
「本当によかったです。胡桃様が試練または仁菜様の未練解消を果たしてくれて。地縛霊が増えなくて済みますから」
紡さんが柔らかい笑みを浮かべた。それでも、胸のざわつきは落ち着きを見せない。
「胡桃。私は自殺しちゃいけなかった。本当は胡桃に相談して互いに支えあって、生きていかなければならなかった。そのことに死んでしまってから、気づいたの。遅すぎるよね。私達、小さい頃からの幼なじみなのに」
仁菜は私の両手を包みながら言った。それからまた、言葉を紡ぐ。
「それでいいの?仁菜は。誰も知らない人がいないところにたったひとりぼっちで、いくんだよ。不安じゃないの?寂しくないの?」
あの世とはどんな場所なのか。それは逝った人にしかわからない。だからひとりで逝くより、ふたりで逝った方が安心安全なはず。
もしかして仁菜は私達の幸せのために自分を置き去りにする気?そんなの……優しすぎるよ。
「全然」
首をふるふると横に振って、仁菜は微笑んだ。
「だって咲結と東山君、そして胡桃の幸せが私の幸せだから」
そう言う仁菜の笑顔はまるで、花開くように明るい。嘘や偽りない言葉なんだと悟った。
「本当によかったです。胡桃様が試練または仁菜様の未練解消を果たしてくれて。地縛霊が増えなくて済みますから」
紡さんが柔らかい笑みを浮かべた。それでも、胸のざわつきは落ち着きを見せない。
「胡桃。私は自殺しちゃいけなかった。本当は胡桃に相談して互いに支えあって、生きていかなければならなかった。そのことに死んでしまってから、気づいたの。遅すぎるよね。私達、小さい頃からの幼なじみなのに」
仁菜は私の両手を包みながら言った。それからまた、言葉を紡ぐ。


