夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

たとえその方法で解決したとしても、私も仁菜も咲結も、そして椿も満足はしないと思う。

なにより……。

『胡桃に助けられるのを、俺は待っていたような気がする』

その思いを踏みにじりたくはないから。

誰かに任せるとかじゃなくて自分の手で助けたい。そんな決意が強くある。

やはりその願いは、届くわけないのかな。

「どこが、時間がないよ。まだ二日丸々あるんだから充分よ。それと霊感のことは気にしなくていい」

「へ?」

「私がなんとか紡さんに頼んでみるから。あの二人に胡桃の姿が見えるようにって」

一瞬、時が止まったような感覚に陥った。

理解してから開いた口が塞がらなくなる。

確かにそうしてくれるなら可能性はゼロではなくなるけれど……。

「それでもいいの?仁菜は」

東山君のことが好きだって言ってたから、自分で助けなくていいの?

それを聞いた仁菜は、困ったような笑みを浮かべた。

「悔しいけどさ、私の親友ならいいや。胡桃に譲るから絶対助けなさいよ」

そう言って仁菜は私の背中を強く押し、部屋の壁をすり抜けて去っていった。

頭の中にはクエスチョンマークがひとつ。