顔を合わせるのも気まずくて、口もチャックをつけられたように動かない。
そんな私を知らずに咲結は何も言わず、隣のブランコに腰かける。
それからしばらく沈黙が漂う。張りつめた空気となり、居たたまれない感覚に陥った。
「心配したんだからね」
先に沈黙を破ったのは当然、咲結だ。その口調はいかにも怒っているよう。
「五日も学校に来ないわ、連絡もないわ、長い夢にうなされてるわ、起きたと思ったら次はこんなところにって……東山君から聞いて結構探したんだから」
そう言って頬を膨らまして、両手を腰にあてている。それからわざとらしく、大きなため息をついた。
息が荒いのが彼女の心配の大きさを物語っているよう。
『必ず帰ってこいよ』
今朝の椿の言葉が脳裏に蘇る。
早く帰らなきゃ。顔を合わせるのは気まずいけれど。
「ごめんね、心配させちゃって……帰るね」
吐き捨てるように言った声はかすれていた。ブランコから立ち上がり、公園を出て帰路につこうと足を進める。
その足を咲結の思いがけない言葉が止めてきた。
「知ってたよ。……胡桃が幽霊だったこと。助けて貰った時から。気づいてたのにずっと、隠しててごめん」
そんな私を知らずに咲結は何も言わず、隣のブランコに腰かける。
それからしばらく沈黙が漂う。張りつめた空気となり、居たたまれない感覚に陥った。
「心配したんだからね」
先に沈黙を破ったのは当然、咲結だ。その口調はいかにも怒っているよう。
「五日も学校に来ないわ、連絡もないわ、長い夢にうなされてるわ、起きたと思ったら次はこんなところにって……東山君から聞いて結構探したんだから」
そう言って頬を膨らまして、両手を腰にあてている。それからわざとらしく、大きなため息をついた。
息が荒いのが彼女の心配の大きさを物語っているよう。
『必ず帰ってこいよ』
今朝の椿の言葉が脳裏に蘇る。
早く帰らなきゃ。顔を合わせるのは気まずいけれど。
「ごめんね、心配させちゃって……帰るね」
吐き捨てるように言った声はかすれていた。ブランコから立ち上がり、公園を出て帰路につこうと足を進める。
その足を咲結の思いがけない言葉が止めてきた。
「知ってたよ。……胡桃が幽霊だったこと。助けて貰った時から。気づいてたのにずっと、隠しててごめん」


