夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

そもそも全部で何個あるのだろうか。ってその三つはまさか……。

「仁菜様と再会すること、咲結と仲直りすること、そしていじめを解決することです」

やはりそれは、幽霊の仁菜から丸投げに押し付けられたものと関係していた。ひょっとしたら仁菜は、私の未練解消を手伝うために、会いにきてくれたのかもしれない。

だけど何か一つだけ、見落としているような気がする。

「あのまだあるんじゃないですか？私の未練」

「はい。まだ解消できてない一つは椿様を助けることです」

やっぱり。予想通りだ。けれどあと二日と半日でできるのだろうか。おそらくタイミングは一度きり。もし失敗したら……。そんな不安が募ってくる。

「あなたにはどうせ無理ですよ。時間も迫ってますし。こちらでなんとかしておきますから逝きましょう。仁菜様と一緒に」

紡さんはそう言ってさあ、と手を差し出してくる。

「仁菜は？もうできてるの、未練解消」

「仁菜様の未練は胡桃様の未練とほぼ一致しています」

ニコリと笑って紡さんは言った。

さらりとやばいことを言われた気がする。まさか未練が一致してるなんて。

「だから大丈夫です。逝きましょう。さあ」

紡さんは穏やかな微笑みをして、私に手を差し出している。来てと言われているようだ。