夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

どうしてあんなことでいじめられなければいけないのだろうか。避けられたから寂しくてついてきてみただけなのに。あっさり友達をやめて一人の生活に戻っていたら始めから仁菜とだけで過ごしていればこんなことにならなかったはずなのに。

それから放課後になっても人は現れなかった。

私はもうダメなのかな。このまま誰も来ず一夜、うんん、取り壊しになるまでの日々をここで過ごさなければいけないのかな。

そう思うと辛い。気が遠くなる。

仁菜……仁菜……助けにきて……。

すすりなきながら心の中で叫んだその時だった。

誰かの足音が聞こえてきたのだ。

しかも急いでいるのか走っている音。旧校舎にくる人はあまりいないからきっと私を助けに来てくれたのだろう。

でももし、水をかけてきた女子達だったら。そう思うと怖くて、すすりなくことしかできなかった。

「胡桃、そこにいるの?」

少し高くて息を切らしたような仁菜の声が個室の扉ごしに私の耳に響いてくる。

「うん、ここだよ。……助けて」

すすりなきすぎて出てきた声はかすれていた。

「すぐ助ける!から待ってて」