そのほかにはというと、全然きてない両親からのメッセージ。日に日に冷たくなっていく体だ。

両親は現在、共働きで海外出張中だし、忙しいのはわかる。でも二週間も連絡が一つもこないのはおかしい。

体も椿に初めて、冷たいと言われたときは通常の人の体温と少し低いぐらいだったのに、今はひんやり氷のように冷たい。さすがに今、私が本当にこの世に生きているのか、それすらも疑いたくなるほどだ。

改めて感じた異変のすべてを頭の中に思い浮かばしてみると、多い。しかもすべてが六月九日。あの大木公園の大木から落ちたときからすべてが、おかしかった。

「もしかして……最初から私は」

……幽、霊?

「はい、残念ながら。あなたは六月九日の朝、公園の大木から落ちて命をおとしました」

あり得ない。信じたくない。違和感を感じてはいたけれど。

でもそれなら仁菜の幽霊が見えていたことには納得がいく。幽霊同士だから。

だけど……。

「東山君と咲結にはどうして、私が見えるの?」

幽霊同士でもないのに。霊感でもあるのかもしれない。

「お二人は胡桃様が亡くなった後、紡神社に祈りにきました。胡桃様に会いたいと。だから見えるようにしたのです」

思わず息を呑んだ。