「私も!?それに迎えなんて、頼みましたっけ?」
そもそも私、死んでないし。
そう思うとは裏腹に心のどこかではこうなると微かに予想はしていた。異変を感じ始めてからだけれど。
「たしかに迎えなど頼まれておりません。ですが、もう時間もないので」
そう言って紡さんは少し寂しそうな顔をした。
わけもわからなくて自然と首を傾げる。
「最近、何かおかしなことはありませんでしたか?」
紡さんに問われて、ここ数日を振り返ってみる。まず脳裏に蘇ったのは六月九日に見た光景。そう、椿からのいじめを理由に仁菜が自殺を図ったときのことだ。それは映像となって私の頭をよぎる。まるでフラッシュバックのようだ。仁菜が自殺してから数日は何度もそれに遭っていたが、幽霊の仁菜に会ってからはなくなっていた。
次に蘇ったのは私が大木公園の大木から落ちた瞬間。あのときは自分自身も自殺したいとか考えていたっけ。思えば大木に登るところから子供っぽくってバカみたい。
次に蘇ったのは初めて感じた異変の一つ。食事の味を感じなかったことだ。最初こそは仁菜を失ったからそのショックからだと思っていたけれど、その幽霊に会えた挙げ句、嬉しいことがあっても変わらないまま。それに今だって食欲もないし、お腹の空き具合も微かにすら感じない。さすがにおかしいとも考えていたほどだ。
ほかにも異変はある。たとえば、霊感がないはずなのに幽霊の仁菜に会えたことだ。今となっては未練解消のためとも考えれるけれど、もっと大きな理由がある気がする。
そもそも私、死んでないし。
そう思うとは裏腹に心のどこかではこうなると微かに予想はしていた。異変を感じ始めてからだけれど。
「たしかに迎えなど頼まれておりません。ですが、もう時間もないので」
そう言って紡さんは少し寂しそうな顔をした。
わけもわからなくて自然と首を傾げる。
「最近、何かおかしなことはありませんでしたか?」
紡さんに問われて、ここ数日を振り返ってみる。まず脳裏に蘇ったのは六月九日に見た光景。そう、椿からのいじめを理由に仁菜が自殺を図ったときのことだ。それは映像となって私の頭をよぎる。まるでフラッシュバックのようだ。仁菜が自殺してから数日は何度もそれに遭っていたが、幽霊の仁菜に会ってからはなくなっていた。
次に蘇ったのは私が大木公園の大木から落ちた瞬間。あのときは自分自身も自殺したいとか考えていたっけ。思えば大木に登るところから子供っぽくってバカみたい。
次に蘇ったのは初めて感じた異変の一つ。食事の味を感じなかったことだ。最初こそは仁菜を失ったからそのショックからだと思っていたけれど、その幽霊に会えた挙げ句、嬉しいことがあっても変わらないまま。それに今だって食欲もないし、お腹の空き具合も微かにすら感じない。さすがにおかしいとも考えていたほどだ。
ほかにも異変はある。たとえば、霊感がないはずなのに幽霊の仁菜に会えたことだ。今となっては未練解消のためとも考えれるけれど、もっと大きな理由がある気がする。


