夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

「大丈夫です。たとえ助けれなくてもどうせ……」

成人女性はそこで言葉を止める。助けれなくても大丈夫なところがどこにもあるわけない。存在すらしないはずだ。

彼女のことを知らなさすぎる私は言葉の続きの推測がまったくできず、「どうせ?」と問い返してみた。

「いえ、なんでもありません」

ごまかしぎみに笑いながら、成人女性は言った。

脳裏に浮かぶのはもちろん、クエスチョンマーク。つくづくこの人が私になにかをしてほしいのか、はたまた、なにがしたいのか、それすらもわからない。言葉の意味も行動も理解不能だ。

「あなたは、誰?誰なの?」

ずっと気になっていたので、もう一度問いかけてみる。さすがになんらかの意味があってここにいるのだということはわかって、せめて名前だけでも知りたいと思っていた。

「それは最後の場面を見てからでも遅くはないでしょう」

ぽかーん。

きょとん顔をして私は唖然とその場に立ち尽くしていた。

確かにまだ夢の終わり時ではないから納得だけど、いい加減教えてくれてもいいのではないだろうか。本当にわけがわからない。

「そろそろ時間なので失礼します。では、後ほど」