夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

そもそも仁菜以外に友達を作れた覚えがなかったから仕方ないことかもしれない。

その次の日からは底がない海に沈まされたような気分になった。

ゴミ箱に捨てられた上履きや教科書。机の上には『幽霊』『さっさと成仏して』『消えろ』などという落書きがされてあった。

そして遊びに誘われて集合場所に行けば、陽が暮れるまで誰も来なくて、次の日に聞いてみた。すると、

「へ?幽霊だからいたの気づかなかったー。あんたってほんと、影薄いよね」

上から見下されたようにそう言われて、嫌気が刺したし、頭には疑問の言葉が浮かぶばかりだった。

つまんないからいじめるって最低な人達だと思う。別に自分から話題を出せないからいじめられるのは当たり前じゃないし、関わっていた人達の人それぞれだと思う。

いじめは日が過ぎてく度にエスカレートしていった。クラスの人達も私がおとなしすぎるからか、自分もいじめたくなったからか、ひどいことをされた。

鞄はプールに捨てられ、びしょ濡れになってでもとりに帰る日々。

「胡桃って固いだろ?だからこうやって……」

休み時間に一人でいたらいきなりそう言われて、しかも腹を思い切り殴られて、潰れるかと思った。

「砕けばいんだよ。ほら簡単だろ?」

痛がってる私を気にも止めず、その男子はへらへら笑いながら高らかに言っていたので、嫌みとしか感じなかった。

まるで天国にいたらいきなり地獄に突き落とされたよう。それぐらい残酷な日々だった。