夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

「さっきから気になってたんだけど、その夢の終わりっていつ?」

疑うのはやめて話の筋を変えてみる。といってもさっきから質問ばかりだけど。

そういえばお祖父さんの自殺の理由はまだかってなかったよね。だからあと何場面見てればいんだ?

「えーと」

成人女性は指をひとつずつ折って何かを数える仕草をする。この質問には答えてくれるようだ。

「あと五場面ぐらいです」

「そうなんですか……」

苦笑いまじりに答えた。あと五場面もかー。荷が重いな。でも抜け出すわけにもいかないし。

思わずため息が出る。十場面よりかはまだましか。

「そろそろ時間です。では、続きをどうぞ」

成人女性がそう言い終わった途端、辺りはまばゆい光に包まれた。

成人女性の姿はというと、もういない。闇と一緒に消えてしまったようだ。なんだか突然現れて不可思議なこと言って去っていく、嵐のような人だったな。

一体何者なんだろう。いまだに頭の理解がついていけてない。

「よし!切れた」

お祖父さんの声でハッと我に返る。見るといつの間にか小四の私と若い母さんと父さんは帰っていて、お祖父さんと小四の椿だけになっていた。

おまけに椿の栗色の髪はロングからツーブロックに整えられている。前髪が長く、両目がすっぽりと隠れているのは変わらないけれど。