夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

なぜ自分が椿の過去を夢として見ていれるのかはまだわからない。夢の続きが気になるばかりで推測することすらも忘れてしまっていた。

「胡桃」

誰かが私を呼んでいる。柔らかくて懐かしい、温かい声。

もしかして……。

淡い期待を抱きながら辺りを見渡してみると、黒一色の世界ではなく、お祖父さんが経営しているメガネ屋。入り口にいるのは私とよく似ている背が低い女の子とその両親。

一瞬、目を疑った。目の前にいたのは私の父さんと母さんだったからだ。確か今は海外出張だったはず。なのに、どうして?

違う。ここは夢の中だ。それによく見てみると、父さんも母さんも若そうな容姿だ。この頃は年も二十歳代後半だった。

仕事は漁師をしていて、坊主頭で逞しい大きな背中の父さんはこの少し肌寒い季節に半袖短パンを履いていて、相変わらず暑がりな人だなとどうでもいいことを思った。

仕事は看護師をしていて、スタイル抜群で笑顔が素敵な母さんは淡いブラウンと深緑のヨコシマ七分袖テイシャツにジーンズ。上着にピンク色のカーディガンを羽織っていた。とても似合っていて、母さんらしいコーデだ。

おそらく背が低い女の子は小四の私であろう。promiseと書かれた水色のテイシャツに黒のミニスカートを履いている。フリルがついていてかわいらしく、子供っぽいコーデだ。