「行ってきます!」
車から降り、扉をバタリと閉め、並木道を歩き出す幼い椿。私も遅れないようにその後を追う。昨日のように拳を強く握りしめてはいなくて、安心感を覚えた。
「おーい、椿ちゃん。ってあれ?」
その声に振り返ると昨日、石を投げつけてきた男子三人組が驚いたように目を丸くしていた。
「お前、髪切ったのかよ」
「椿ちゃんが椿ちゃんじゃなくなったじゃないか」
「つまんねぇの」
頬を膨らませながら彼らは口々に言った。ざまぁみろと嘲笑いたくなる気分だ。隣を歩く幼い椿も微かに微笑みを浮かべている。
教室に足を踏み入れると、四方八方から視線が集中してきた。みんなそろって信じられないとでも言うように目を見張っている。
「東山君、髪、切ったんだね」
「絶対こっちのほうが似合ってる」
「ついでに前髪も切っとけばよかったのに」
男女問わず食いぎみに言ってくる。それから近くへと寄ってきた。幼い椿は何人もの人に囲まれながら終始戸惑いつつも、満面の笑みを浮かべて楽しそうに話していた。
よかった。悪い反応されなくて。心の底から安堵した。その時だった。目の前は真っ暗になった。場面転換の合図だ。
車から降り、扉をバタリと閉め、並木道を歩き出す幼い椿。私も遅れないようにその後を追う。昨日のように拳を強く握りしめてはいなくて、安心感を覚えた。
「おーい、椿ちゃん。ってあれ?」
その声に振り返ると昨日、石を投げつけてきた男子三人組が驚いたように目を丸くしていた。
「お前、髪切ったのかよ」
「椿ちゃんが椿ちゃんじゃなくなったじゃないか」
「つまんねぇの」
頬を膨らませながら彼らは口々に言った。ざまぁみろと嘲笑いたくなる気分だ。隣を歩く幼い椿も微かに微笑みを浮かべている。
教室に足を踏み入れると、四方八方から視線が集中してきた。みんなそろって信じられないとでも言うように目を見張っている。
「東山君、髪、切ったんだね」
「絶対こっちのほうが似合ってる」
「ついでに前髪も切っとけばよかったのに」
男女問わず食いぎみに言ってくる。それから近くへと寄ってきた。幼い椿は何人もの人に囲まれながら終始戸惑いつつも、満面の笑みを浮かべて楽しそうに話していた。
よかった。悪い反応されなくて。心の底から安堵した。その時だった。目の前は真っ暗になった。場面転換の合図だ。


