夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

朝日が引き戸越しに差し込んできている。まるでスポットライトにあてられているように眩しかった。そこからわかることはさっきの場面の翌日の朝が今の時間ということだ。

幼い椿はというと、昨日と同じような私服を身にまとい、黒いランドセルを背負っている。栗色の髪は昨日のロングの髪から見違えったようにツーブロックに整えられていた。長い前髪で栗色の瞳を隠しているのは同じだけれど、女子と間違えられることはもうないだろう。

「椿。誰かの言うことに流されるんじゃないぞ。自分の幸せが掴みとれなくなるからな」

お祖父さんは親身な眼差しをしながら言った。

幼い椿はまだわかりにくい年齢だからか、顔をきょとんとさせた。確かに小一が理解するには難しいことだ。それでもわかったかのように大きく頷いた。

「じゃあ、行ってこい」

「行ってきます!」

お祖父さんは幼い椿の小さな背中を押す。まるで自分が持っている勇気を分け与えるように。

外では、一台の車が止まっていた。椿の父の車だ。きっとこれから出勤ついでに学校まで送ってくれるのだろう。

椿の父は車から出てきてお祖父さんの所に向かう。

「預かってくれてありがとうございました。また頼むかもしれませんが、そのときはよろしくお願いします」

改まってしっかりと頭を下げて礼を言った。

「そんなに改まなくてもいいぞ。じいちゃんに任せとけって」