違う。気づきたくなかったんだ。いつも日向にいた彼女がいじめられていたなんて予想だにしていなかったからだ。それに自分が憧れている人の涙なんて見たくなかった。泣いている人を見たら辛くなってしまうから。
家族に会えない寂しさを抱えていて、人見知りなせいでいつも一人になってしまう私を仁菜は幼なじみという理由で支えてくれて側にいてくれた。
二ヶ月前からは物を借りにくるようになってちっぽけな私を頼りにしてくれているんだと最初こそは嬉しく思った。でも毎日のように借りにくるからさすがに何かあるんじゃないかって「大丈夫?」と気にかけてみた。
その結果、「心配ないよ。急に忘れっぽくなっただけ」と強がられた。仁菜の心の内側に入ることを拒まれてしまった。
その時には自分には何もできないんだと悟り、惨めに思ったけれど、もし私と過ごす時間が彼女にとって安らぎになっているのなら、側にいてあげたいと思った。それに仁菜の弱い姿を見るのにも躊躇いがあった。だから手を差しのべることをやめた。自殺の道を歩ませてしまった。
それを今となっては一番後悔しているから幽霊として会いに来てくれた仁菜の頼みを聞こうと決心した。咲結も助けて椿にも寄り添った。もう誰にも自殺の道を歩ませたくはなかったから。
お祖父さんは顔をしわでくしゃくしゃにしてしばらく泣いた後、腕で涙を拭いながら言った。
「椿。お前はその髪をどうしたい?」
「切りたいけど、お母さんが……」
家族に会えない寂しさを抱えていて、人見知りなせいでいつも一人になってしまう私を仁菜は幼なじみという理由で支えてくれて側にいてくれた。
二ヶ月前からは物を借りにくるようになってちっぽけな私を頼りにしてくれているんだと最初こそは嬉しく思った。でも毎日のように借りにくるからさすがに何かあるんじゃないかって「大丈夫?」と気にかけてみた。
その結果、「心配ないよ。急に忘れっぽくなっただけ」と強がられた。仁菜の心の内側に入ることを拒まれてしまった。
その時には自分には何もできないんだと悟り、惨めに思ったけれど、もし私と過ごす時間が彼女にとって安らぎになっているのなら、側にいてあげたいと思った。それに仁菜の弱い姿を見るのにも躊躇いがあった。だから手を差しのべることをやめた。自殺の道を歩ませてしまった。
それを今となっては一番後悔しているから幽霊として会いに来てくれた仁菜の頼みを聞こうと決心した。咲結も助けて椿にも寄り添った。もう誰にも自殺の道を歩ませたくはなかったから。
お祖父さんは顔をしわでくしゃくしゃにしてしばらく泣いた後、腕で涙を拭いながら言った。
「椿。お前はその髪をどうしたい?」
「切りたいけど、お母さんが……」


