夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

「どーれ、じいちゃんが聞いてやるから話してみんかい」

「わかったよー。あのね……」

そう言って幼い椿は学校での状況を話始めた。まだ幼いから言葉は二転三転している。それでもしっかり伝えようとする椿の表情と、真剣な眼差しで聞いてくれているお祖父さんの表情は変わらなかった。

「そっか。それは辛かったな」

幼い椿が事の全てを話終えたことを察したお祖父さんは弱々しい声でそう言った。そして猫背になり、顔を俯かせている幼い椿の頭を壊れ物を触るかのように優しく撫でる。その瞳には涙の雫が溢れていた。

その姿は優しい人その者で温かくて撫でられているのは辛い思いをしていたのは私じゃないのに無性に泣けてきた。

お祖父さんに撫でられている幼い椿は顔をきょとんとさせていた。なぜ目の前の人が泣いているのかまだわからないのだろう。

するとそれを察したようにお祖父さんはまた口を開いた。

「気づけなくてすまない。実の孫なのによ。髪もこんなに長くさせられて……おまけにからかわれて……それを助けれなかったじいちゃんが情けない」

すすり泣きながらもお祖父さんは頼りない声で、真剣な眼差しを真っ直ぐ幼い椿に向けて言った。

お祖父さんの気持ちはよくわかる。私と似ているからだ。私も椿にクラスの人にいじめられていた仁菜のことを最後の自殺する瞬間まで助けることはおろか、気づくことすらもできなかった。