夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

「それより、学校はどうだ?楽しいか?」

お祖父さんは椿の反応が気に入らなかったのか、話題を変えてきた。それに幼い椿は無理矢理の笑顔をとりつくりながら大きく頷く。

「そうか。楽しくない、か」

お祖父さんは沈んだ声でそう言った。どうやらごまかしは無駄なようだ。

「へ?楽しいよ。じいちゃん」

図星をつかれたことに驚きながらも、必死に隠そうとする幼い椿。強がっている証拠だ。きっと憧れの人の前で、弱い自分は見せたくないのだろう。

「さては、椿。嘘ついてるな」

「まさか」

「じいちゃんの目はごまかせないぞー」

お祖父さんはニシシと笑って、幼い椿の長い髪をわしゃわしゃとかきなでた。

「ほれほれー。椿の笑顔はこんなもんじゃないだろ」

「ハハハ!じいちゃん、くすぐたいってー」

幼い椿は無防備にはしゃぎ笑いながら言った。その姿はいかにも可愛らしく、私の目が釘付けになってしまうほどであった。

幼い椿は幸せ者だ。今見ているなかでは虐待も受けてなくて、こんなにいいお祖父さんがいる。気が弱いながらも、少しは庇ってくれる父がいる。ちょっと何がしたいのかわからないが優しい母もいる。その幸せに恵まれた環境が、無性に羨ましくて仕方がなかった。