「外は暑かったじゃろう」
そう言いながらお祖父さんは和室に入ってくる。その両手にはおぼんを持っており、その上にカルピスが入ったコップと湯飲みに入れられた緑茶が乗っていた。
お祖父さんはそれをちゃぶ台の上に置くと、幼い椿の向かい側に胡座をかいた。
幼い椿は氷が数粒入っており、ひんやり冷たいカルピスを口に含む。その途端に「おいしい!」と叫んだ。
コップをちゃぶ台に置いたと同時にカランコロンと氷の音が鳴る。それだけで涼しさを感じた。
「三年もみないうちに随分と変わったのう」
唐突にお祖父さんは切り出した。
三年前のことは覚えてなさそうに「そう?」と幼い椿は首を傾げる。
確かに私も小さい頃の記憶があまりない。アルバムに挟んである写真として残っているだけだ。どんな言葉を交わしていたかとか、その時何を思っていたのかとかは全然覚えていない。断片的なものばかりだ。
母さんや父さんと再会しても昔話をすることは今まで一度としてなかった。それぐらい暇がなかったのだ。お互い、他人のためなら自分を追い込んででも頑張ってしまう人だから、今頃私の知らないところで倒れているんじゃないかって心配になる。
早くまた会って、幼い頃のように三人で笑顔に暮らしたいな。いつの間にかひそかにそんな願望を抱いていた。
「おうよ。二歳のときは髪も短かったし、背ももっと小さかったんじゃから」
お祖父さんの年寄りくさい言葉で我に返る。それを聞いた幼い椿は「ふーん」と他人事のように受け流した。
そう言いながらお祖父さんは和室に入ってくる。その両手にはおぼんを持っており、その上にカルピスが入ったコップと湯飲みに入れられた緑茶が乗っていた。
お祖父さんはそれをちゃぶ台の上に置くと、幼い椿の向かい側に胡座をかいた。
幼い椿は氷が数粒入っており、ひんやり冷たいカルピスを口に含む。その途端に「おいしい!」と叫んだ。
コップをちゃぶ台に置いたと同時にカランコロンと氷の音が鳴る。それだけで涼しさを感じた。
「三年もみないうちに随分と変わったのう」
唐突にお祖父さんは切り出した。
三年前のことは覚えてなさそうに「そう?」と幼い椿は首を傾げる。
確かに私も小さい頃の記憶があまりない。アルバムに挟んである写真として残っているだけだ。どんな言葉を交わしていたかとか、その時何を思っていたのかとかは全然覚えていない。断片的なものばかりだ。
母さんや父さんと再会しても昔話をすることは今まで一度としてなかった。それぐらい暇がなかったのだ。お互い、他人のためなら自分を追い込んででも頑張ってしまう人だから、今頃私の知らないところで倒れているんじゃないかって心配になる。
早くまた会って、幼い頃のように三人で笑顔に暮らしたいな。いつの間にかひそかにそんな願望を抱いていた。
「おうよ。二歳のときは髪も短かったし、背ももっと小さかったんじゃから」
お祖父さんの年寄りくさい言葉で我に返る。それを聞いた幼い椿は「ふーん」と他人事のように受け流した。


