夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

そのお祖父さんは出てきたと同時に幼い椿のロングの髪に驚いたのか、目をかっぴらいた。

「えーと、椿かいのう」

「そうだよ。じいちゃん」

栗色に透き通った長い前髪を掻き分けながら幼い椿は言った。

その途端、栗色一色の凛とした目が姿を現す。おそらくお年寄りは目が悪いのを知っていて、気を使ったのだろう。

「そうか。大きくなったな。さぁお上がり」

「うん!」

お祖父さんは年寄りくさいことを言ってから居間に戻る。幼い椿は靴を脱ぎ、パタパタと和室の方へ駆けていった。

私もその後を追うようにそこへ入る。教科書でしか目にしていなかった和室には温かみのある畳が床に敷かれており、安らぎを感じた。ふすまや障子もあり年季があるように古びていた。

障子は端に寄せられており、庭園が見えている。緑の葉が生い茂る盆栽やびわという植物達が、古びた上木鉢からどっしりとした根を持ちながら、何本も生えていた。

その植物達で彩られた庭園は自然に溢れており、心が洗われたような感触がする。

見たことがない景色に圧倒され、私は目をキラキラと輝かせた。

幼い椿はというと、ちゃぶ台が置いてある付近に正座をしている。その姿がいかにもきっちりとしているように見えて、たくましく思えた。