夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

心の中でそう叫んだ瞬間、視界は暗闇に閉ざされた。神様が味方をしてくれたみたいだ。目にするのも三度目ともなる光景には、さすがに慣れてきた。

今のところ、椿が母から虐待を受けている理由も光景も明らかになっていない。流れ的に理由が推測できないわけでもないが、その通りになるとは限らない。それならば、引き続き夢に浸ることにしよう。

視界が光に満たされる。即座に辺りを見渡すとコンクリートの道路を歩いていた。交差点があり、時々車が微かな音と共に横を通過する。どうやら場面が変わったようだ。

空はすっかりと晴れていて、白いくももひとつもない。清々しい青空だ。太陽の傾きからして夕方のの5時ぐらいだろう。

すでに学校は終わっていて帰路の途中のようだ。

幼い椿はというと、うきうきとした表情で帰路を走っている。どうやら早く祖父に会いたくて仕方ないのだろう。

目の前に和風っぽい家が見えてくる。屋根は瓦でできており、庭には庭園があった。きっとこの家が椿の祖父の家なのだろう。

幼い椿は玄関に行き、「じいちゃーん」と嬉しそうに言いながらインターホンを押す。

数秒も経たないうちに入り口の引き戸が開かれ、顔にあるたくさんのシワをくしゃくしゃにして笑顔を作っている、六十代の白髪混じりのお年寄りが出てきた。

身長はまだ私と同じ百六十ぐらいで、腰や背中は曲がっていなく、健康に恵まれていそうな体型のお祖父さんだ。