夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

でも私からしたら関わってくれている仁菜にも、仁菜と話したいクラスメイト達にも、申し訳なくて仕方がなかった。

『でも、いいの?人気者なのに』

『私の一番大切な人が胡桃だからだよ。だってさ、私達は似た者同士のおかげで今まで一度も喧嘩とかしたことなかったんだよ』

仁菜は満面の笑みを浮かべながらそう言った。

彼女のコミュニケーション能力には憧れるほどだ。初対面でも会話が弾んで途切れることは一向にない。人見知りであまり自分からは話の話題を出さない私にとって羨ましいことだった。

そんな私を一番大切な人と思ってくれていたなんて、胸が躍るほど嬉しいことだった。

『私は別に人気者になりたくてなったわけじゃない。ただ、寂しがりやだから努力してみただけ』

寂しがりやなのも私とよく似ている。そっくりさんみたいだけど、コミュニケーション能力に関しては正反対な私達。だからこそ気が合うし、親友と言っても過言ではないぐらい仲良くなれた。

喧嘩を一度もしなかった理由は、そもそもお互いに喧嘩をするのが嫌いだし、何より寂しがりやな私達にとって、人間関係が壊れることは人生の終わりに等しいからだ。

『それに胡桃とは一番話しやすいから好き。いつまでも話してられる。だからね、胡桃と会えてよかった』

私にはそれが別れの言葉のように聞こえてしまったから急に寂しくなって『もう、仁菜ったら好きとか恥ずかしいよ』と苦笑いまじりに言い、寂しさを誤魔化した。

***

それが高一の今となると、この世からいなくなってるなんて……。