途中で投げたして逃げたりしたらそこで即試合終了。せっかく生まれた小さな勇気は、呆気なくしぼんでしまう。そして必ず後悔する。だから立ち止まらないようにしなきゃ。
椿が力をこめて私の手を握り返してくる。心臓がドキリと跳ねた。不思議とそれが『大丈夫。一人じゃない』と言ってくれているような感じがして落ち着く。
心の中で決意を固めていた内に、あっという間に家に着いてしまった。時の流れというもの早いものだ。自然に引いていた手を離し、ドアの鍵を開けて中に入る。玄関の証明をパチリとつけたと同時に灯りが灯る。
「綺麗じゃないかもしれないけど、入って」
そう言ってローファーを脱ぎながら椿を招き入れる。普段から土日に掃除をしていたので、散らかっているわけではなく、内心ホッとした。
「お邪魔……します」
少し戸惑う口調に緊張しているのがわかる。だいたい私が異性を家にあがらせるなど初めてのことだから無理もない。
「そんなに改まらなくていいよ。どうせ誰もいないんだし」
「そっか」
安堵したように椿は言い、それからスニーカーを脱ぐ。
「鞄置いてくるからリビングで待ってて」
そう指示してから自分の部屋に慌てて駆け込む。バタリとドアを閉め、脱力するようにドアに身を任せて座り込んだ。無意識にため息が出てしまう。
椿が力をこめて私の手を握り返してくる。心臓がドキリと跳ねた。不思議とそれが『大丈夫。一人じゃない』と言ってくれているような感じがして落ち着く。
心の中で決意を固めていた内に、あっという間に家に着いてしまった。時の流れというもの早いものだ。自然に引いていた手を離し、ドアの鍵を開けて中に入る。玄関の証明をパチリとつけたと同時に灯りが灯る。
「綺麗じゃないかもしれないけど、入って」
そう言ってローファーを脱ぎながら椿を招き入れる。普段から土日に掃除をしていたので、散らかっているわけではなく、内心ホッとした。
「お邪魔……します」
少し戸惑う口調に緊張しているのがわかる。だいたい私が異性を家にあがらせるなど初めてのことだから無理もない。
「そんなに改まらなくていいよ。どうせ誰もいないんだし」
「そっか」
安堵したように椿は言い、それからスニーカーを脱ぐ。
「鞄置いてくるからリビングで待ってて」
そう指示してから自分の部屋に慌てて駆け込む。バタリとドアを閉め、脱力するようにドアに身を任せて座り込んだ。無意識にため息が出てしまう。


