夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~

私は心の中でため息をつく。家の近くにメガネ屋があったらなんて。

始業のチャイムが先生の登場と共に鳴った。朝のホームルームはもちろん、仁菜の自殺の話でもちきりとなった。

どうしてと先生に問いただしている人。他人事として受け流している人。つまらなそうな顔をしている人。クスクスと笑っている人。そしてやったー!と喜んでいる人。いろいろだった。

複雑な雰囲気が教室に漂い、私は苛立ちを覚えた。


人が自殺したからってどうして喜べるのだろうか。クスクス笑っているのだろうか。他人事として受け流してしまうのだろうか。つまらなそうな顔をするのだろうか。わけがわからない。

先生に問いただしている人達は、大半が仁菜の友達だ。この状況からしていじめられていたことには気づいていないのだろう。

一体誰がどうして、どうやって仁菜をいじめたのだろうか。自殺に追い込ませるぐらいだからきっとひどい奴なんだろうな。

脳裏に仁菜の顔がよぎる。いまだに受け入れない。特にこの世からいなくなってしまったことが。

屋上で泣いたことで涙腺がおかしくなってしまったらしく、瞳からは雫が溢れてくる。

たとえみんなから空気扱いされていても、泣き顔をさらしてしまうのは恥ずかしい。

私は俯きながら席を立つ。勢いよく立ったせいか、視線がどこからともなく集中してくる。

「西園さん、どうしましたか?」