相変わらず私のほうを見ないシキのほうをずっと見ていれば、視線に気づいたシキがこっちを向いた。



「……なに、」


窓枠に座ったまんまのわたしをじっと見る、
シキの視線と自分の目の位置を合わせるように重ねれば、ふい、と逸らされる。

何も言わないまんまのわたしにあっという間に興味をなくして視線はスマホに逆戻りだ。



さすがに寒いのでそこから降りて窓の鍵を閉めた。
シキのことだから、寒いと怒ってきそうだった。


それからシキの寝そべっているベッドまで近寄って、寄りかかるように座った。




シキはわたしを部屋に呼ぶけれど、別に何か用があるわけじゃない。

日付が超えそうになる11時の終わる手前まで、何も話さない日もあれば、シキから漫画を借りて読んだり、映画を見たり、シキの機嫌がいい日は一緒にゲームをすることだってあるし、ただその空間に無言のまま二人でいるだけの日もある。

シキがわたしに手を伸ばして来たら、そのままベッドに連れていかれる日だってある。




シキの思うとおりに、わたしは動いている。

シキが何もしないのなら、わたしだって何もしないのだ。