狼男  無限自殺 編



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「・・・・・ってあれ!?
もう着いた!!!!!!」


ウサイン・ボルト並にダッシュして駅に駆け込んで、車掌さんが頑張ってくれたのかな?

あっという間に着いた桜木町駅の改札前。

快晴の空もアシストしてランドマークタワーがより一層映えてる!


って呑気な事言ってる場合じゃない!!!

待ち合わせ時間から20分遅れ・・
急いでその姿を探・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


「・・・・・・・・・・・・。」



・・・え・・・・私・・・・
誰と待ち合わせしてたんだっけ・・?


・・・・あれ・・私・・・・・

なんでこんな・・アラサーのくせに・・
20歳全開なテンションで・・・


「・・・・・私・・・・・・
なんでここに来たの・・・?」








「アンナ~!」


・・・・・・・・え・・・・?



「ごめんごめん!
あ、でも今来たわけじゃないからね?!

ちょっとお腹痛くなってトイレ行ってただけで、既に15分前には・・・アンナ?」


「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・。」


「え!?いやいや・・
そんな怒るなよ~。」


「・・・ッ・・スッ・・ウゥゥ・・
スッ・・スッ・・!!!!!」



「?!?!?なななな!!
いやいや何この熱烈な歓迎は!?」


「アアァア・・アアアア!!!!」


「ちょ・・どうしたの・・?

さすがに人前で熱烈ハグは・・
いやいや嬉しいけど・・。」


「シンジ君・・!・・シンジ君!!!」


「・・・まぁ・・今週ずっと出張で会社では会えなかったからね。」


「スッ・・ヒック・・遭いたかった・・!
ずっと・・ずっと遭いたかった!!」




自分の手形がついてしまうほど・・その背中に回した手をずっと掴んで離さない・・


自分の涙でびしょびしょに濡れてしまうほど・・その胸に埋めた顔をつけたまま離れない・・


「スッ・・ヒック・・ごめんシンジ君・・
私・・ずっと・・・スッ・・ウゥゥ・・。」




・・・想い出した・・私・・
シンジ君に会いに来たんだ・・・。


シンジ君の声が聞きたくて・・
その顔が見たくて・・・

ここまで走ってきたんだ・・・。



「アンナ・・そろそろ離れてくれないと・・なかなか通行人の視線の的になってる。」


「・・・スッ・・スッ・・。」


「なんか俺がスゲー泣かしたみたいになってるよぉ~!」


「・・シンジ君お願い・・・・。」


「うん・・?」


「・・・キスして・・・・。」


「What’s!?・・いやいや・・
こ、ここで・・?」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」



「「・・・・・・。」」