「怪人の正体はさておき・・
ユウマ君、綾野君。

今一度申し上げておきます。
物的証拠も、自供も要りません。


ご丁寧に“彼女の正体は何で、どんな力を使って自殺を引き起こしたのか?”

なんて謎をわざわざ暴く必要もありません。

なんでしたら今回に至っては“確証”が無くても大丈夫です。“勘”で大丈夫です。」


「・・・・・・・・・・。」
「・・。」


「常識も法律もへったくれもありません。

林さん=怪人だと少しでも匂った時点で、すぐにその首をはね飛ばしてください。

マスコミ対策やねつ造も含めて、正当性は私のほうで後から何とでも処理します。」


「はい・・!」
「・・。」


「あ、ただ人違いはやめてくださいよ。

まずは客として店内に潜入して“面取り”をして、今夜にでも討伐してください。」


時間帯としてはまだお昼過ぎ。
もちろん一般客や他のスタッフもいる。

場合によってはやむなしだが、

椿刑事部長の仰るとおり、
なるべく白昼堂々は避けたい・・。



椿刑事部長に一礼して、
綾野のバイクの元へと向かう。


まずは“面取り”・・

被疑者の姿形を確認して、
この頭に叩き込む。


“絶対に怪しまれないように”
“警察だとバレないように”

という2点を守りながら・・・。