狼男  無限自殺 編



―――――― 


ユカリさんから受け取った住所をスマホに打ち込んで、

ルートを辿りながら着いたアパートの一室。


呼び鈴を鳴らしても応答が無かった。ドアノブに手を伸ばしたら鍵は空いていた。


中に入ると・・至る所に酎ハイの缶が潰れて散乱してて・・

“放心状態” “心が壊れている”

と一目で分かるB子さんが虚ろな目をして座っていた。


その姿はまるで・・6年前の自分の姿を鏡で映したかのように・・・。



「・・・・探偵さん・・・?」


「小松です・・。」


虚ろな目が私を認識すると、
部屋中に響く嗚咽が上がった。


B子さんは、

“やっぱり私のせいだ”
“私があの子を傷つけたから”

そんな自責の念を吐き出して、
髪をかきむしって叫び続けた。



でも・・嗚咽の合間を縫って、私が投げかけた質問に答えてもらうと・・


自分を責め続けるB子さんと違って、
私はやっぱり“違和感”を覚えた。