狼男  無限自殺 編



「アンナさん。ドンマイです。

あの後2人に何が起きたのかは私達の知った事ではありませんが、

A子さんが自殺したのは事実です。」



「小松。変な罪悪感みたいなもんは絶対にやめろ。

探偵は依頼人の希望に基づいて調査を行う。


その調査結果が原因で何が起きようが、

殺人が起きようが自殺が起きようが、
俺達には刑事責任も民事責任も無い。


不安になるようだったらウチの顧問弁護士から説明させてやる。

ユカリが呼べば5秒で来るだろうよ。」




「あの・・B子さんは何て・・・?」


「ド阿呆。俺達の知った事かよ。」

「気になるようでしたら、
連絡先と住所ぐらいは教えますよ。」



藪さんもユカリさんも・・

論点というか・・
視点というか・・

考え方が私とちょっとズレてる・・。


私の事を気遣ってくれる感じはすごく伝わって嬉しいけど・・


でも・・私としては・・

“自分達がB子さんの浮気の事実を突き止めたから”という事実は・・

もうどちらかというとすっかり過去の話で・・全く気にしてなかった。


あの2人はちゃんと仲直りして、
再出発の道を選んだのに・・

偽りじゃなくて・・あの時プリンを食べながらホントにそう感じた。


だから“どうして?”という意味で・・
動かずにはいられなかった。