あの時は私も大人げなくて・・

自分の家に帰ってきてから、
ちょっと後悔してて・・


迎えに来てくれた事が嬉しくて・・


素直になれずに、すぐには扉を開けない私の性格を見越して、

チェーンロック切断 強行突破してきたのが呆れ嬉しくて・・


カッとなっていた血圧も、
ケンカしちゃった罪悪感も・・

お互いヒートアップした頭の熱も、

シンジ君にエスコートされた助手席に乗って、西へと沈みかける太陽と共に急ぐ、

超速ドライブデートですっかり元通りになっていた。







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「・・・・・・・・・・・・・。」


「取引先の人が教えてくれたんだ。

俺、今まで“デート”とか“スポット”だけは無知だったから。」


「・・・・・・・・・・・。」


「“遊べる”とか、“美味しい”とか、
“買い物できる”とか、

“家でまったりテレビ見る”とか・・
デートってそういうもんだと思ってた。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「でもよく分かった。

“何をする”かじゃなくて、
“誰とする”かなんだって。」


「・・・綺麗・・・・・・・。」



「アンナ。」


「・・・うん・・・・。」


「ガキ使は録画してきた。
今度DVDに焼いて渡す。」


「・・・・・・。」


「だから・・何をするでも無く、
今年も1年お疲れ様でしたって・・。

アンナと一緒に過ごしたい。」


「・・・・・・・・・。」


「来年もずっと好きだよ。」


「・・・うん・・私も・・・!!」

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