「・・・・・・・・・・・・・。」
『!!!!!!!!!!!!!!』


「・・・・・・・・・。」
『!!!!!!!!!!!!!!』


「・・・・・。」
『!!!!!!!!!!!!!!!』


顔面にヒットしてはヒットされ・・
みぞおちに入っては入れられ・・

お互いの右拳と右拳がぶつかっては、
すぐにまた左拳で相手の頬を捉え合う。


目で追うだけでもやっとだが・・

だけど段々と・・スーツ男のほうが劣勢に追い込まれていく・・!?



『どうだキョウスケ!?この力は!!?』


「・・・・・・・!」


『昔から何でも、
お前と兄貴が一番を争っていたな!?

何度挑んでも、
俺はお前に勝てなかったな!?』


「・・・・・!」


『それがどうだ!!?
今のこの状況がお前に分かるか!!?

一族がひた隠しする、
この力をお前も解放してみろ!!!』


「・・!」


『そんな姿のお前に勝ったところで、
嬉しくも何ともない!!』


「!!」


『やはりお前も狼になれ!!!
キョウスケ!!!!!!!』




力の差がありすぎる・・・!!

狼男の右ストレートに、
遂にスーツ男の体が吹っ飛ぶ。

ちょうど俺と綾野の方向に吹っ飛んで来てくれたので、

余計に激痛が走ったがなんとか2人で彼の体を受け止められた。



「大丈夫か!?」


「阿呆。かすり傷だ。」


唇を切ってダランと血が滴るが・・
ホントにかすり傷に思えてくる・・。


「そっちの塩顔サムライが、
そろそろ本当にヤバいな。」


「え・・・?」
「・・ッ・・大丈夫ですよ・・。」


「阿呆。無理するな。血流しすぎだ。」



『どうしたキョウスケ!?
人間を庇うなんてお前らしくないぞ!?』