『だったら、素晴らしい提案をしよう。
お前も狼にならないか?』
「・・・・・・・・・・・・。」
『狼にならないなら殺す。』
「阿呆。原作もアニメも見た事ないから何て返せばいいか分からねぇよ。」
・・・・・!?
対話を続けていたスーツ男と狼男が一瞬消えた後・・2人とも“飛んだ”と理解できた。
いや・・俺の常識では“飛んだ”だが、
凄まじい力でアスファルトを蹴って、
お互いがお互いに向かって“飛びかかった”のかもしれない。
「・・何なんだ・・・あの男は・・?」
「怪人と・・張り合ってる・・?」
あんな戦り合いはボクシングでも空手でも・・知ってる限りの格闘技でも見た事が無い。
強いていうなら・・
ドラマや映画の非現実だ・・。
素手VS素手・・狼男がこの両目では捉えきれないほど凄まじい手数を繰り出して、
スーツ男がそれを全て防ぎながら攻撃に転じて・・恐らくこの地球上で最も殺伐として、
最も“音速”の領域で繰り広げられる“殴り合い”・・。
もはや疑う余地は無かった。
“人”の姿のまま・・
狼男と張り合うあの男も・・怪人!?



