「・・。」


綾野・・・この世界で君に呼びかけるのはこれが最後だ。


「・・。」


向こうの世界では、“怪人”という化け物の存在が確認されている。


「・・。」


何の罪も無い幸せな家族も・・
俺の仲間も、その怪人に殺された。


「・・。」


1体は討ち取った。
だけどまだ他にもいるかもしれない。

現に・・今俺の目の前に・・
また新たな怪人が居る。


「・・。」


何の罪も無い人々の命がまた奪われた。

結婚式を楽しみに・・お父さんとバージンロードを歩く事を心待ちにしていた女性が・・


長年の片想いが実って、
幸せを掴んでいた女性が・・


遠距離という試練を乗り越えて、
ようやく同棲が叶った女性が・・


浮気という過ちを犯したパートナーとお互いの本音をぶつけ合い、

また“一緒に歩む”と、
絆を深め合った女性が・・





「・・。」


“人々の平和を脅かす怪人を討ち取る”

俺は失った仲間の命にそう誓った。

・・・一人で頑張るつもりだったが、

君と出会って、【仲間】が出来る事の心強さと力強さを改めて感じた。




「・・。」


その力を貸してほしい・・・。

あの横断歩道を渡っていたちびっ子達が・・小学生達が・・・

あの孤児院で苦境と向き合う子供達が・・

安心して暮らせる平和と・・
君が実践してきた正義の為に・・・。





「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」


『何をやってる綾野・・・?
さっさと吊れ!!!!』





五味フミヤ君と佐々木アオイさん。
その赤ちゃん。


・・・3人の命は・・・
・・俺も一緒に背負う・・・。


君が取った行動の是非は、
一生・・答えが出ないかもしれない。

だったら俺も一生・・
君と一緒に向き合う。






「・・。」


『早く死になさいよ綾野!?
私は腹が減ってるんだよ!!!』



だから俺と一緒に戦ってくれ・・
・・・・綾野・・・。





「・・。」
『!!!!』


起きて戦え・・・!!


「・・。」
『!!!!』


戦え・・・・!!!!


「・・。」
『!!!!!』



「・・!!!・・・・!
戦えーーーーーっ!!!!!!!!!!!」



「!!!!!!!!!!!!!」



『!?・・・・嘘でしょ・・?!』