「せ、先輩のせいです!」
穂先輩はまるでからかうように私を見て笑うけれど、顔が赤くなっちゃう原因は穂先輩にある。
「…言うようになったじゃん、ほたる。」
あっ…えっと、言いすぎてしまった…?
もしかして不快にさせてしまったのかな、とオロついた次の瞬間。
「かわいい。」
なんていって、優しい声で穂先輩は私を惑わせる。
ど、どうして“かわいい”になるの…!
穂先輩の言葉を素直に受け取ることができなくて。
「なっ…なんでそうやっていつも、からかうんですか…!」
と言って、私は眉を下げて目の前の穂先輩を見つめた。
「え?」
不思議そうに首を傾げる穂先輩を見つめたまま、私は言葉を続ける。
「わ、私がかわいいなんてあるわけ…」
私がかわいいなんてあるわけないじゃないですか。と言いたかったんだけど。


