コーヒーカップを両手で抱えながら、コーヒーからたっている湯気をぼんやりと眺めた。
「ケーキうまかった?」
すると、穂先輩から声をかけられる。
「はいっ!すごくおいしかったです。連れてきてくださって、ありがとうございます。」
紹介してもらったおいしいケーキのことを思い出して、自然と笑みが溢れた。
「…フッ。ほたる、嬉しそう。」
「は、はい…!わっ」
目を細めてふわりと笑った穂先輩が、私のほっぺをテーブル越しにつんつんとつついた。
「ほっぺ柔らか。スベスベだし赤ちゃんみたいだな。」
「そ、そんなことないです…!」
わ、わああ、先輩…!
先輩の指が私の頬に触れて、驚きで目を見開く。
そしてみるみるうちに顔の熱が上昇する。
そんな私の様子を見て、穂先輩はおかしそうに笑った。
「ほたる、顔真っ赤。」


