「あとほたる、コーヒー好き?ここのブレンドおすすめ。」
「はい、好きです…!」
穂先輩に、私はうんうんと首を縦に振った。
「じゃあ、あとブレンドコーヒーふたつお願いします。」
「ふふ、はいは〜い。少々お待ちくださいませ。」
私たちの注文を書き終えた店員さんは、笑顔で軽くお辞儀をしたあと軽い足取りで厨房へと戻っていった。
う〜、なんだかソワソワするよ。
さっきまでワクワクしていたんだけれど、急に心が落ち着かなくなった。
けど、仕方ないよね。
こんなにおしゃれなカフェに来たの、初めてだし。
それに、放課後に誰かと遊びに行くのも…初めてなんだ。
しかも、一緒なのが穂先輩…だなんて。
恥ずかしいような、嬉しいような。
二つの感情の狭間で、揺れている私がいる。


