「どうぞ〜」
優しい笑顔の店員さんは、お冷を差し出してくれて、私はペコリと会釈した。
すると、店員さんが穂先輩に視線を移し、優しい笑顔からイヒヒとからかうような笑顔に変わった。
「ちょっと穂くんっ!かわいい女の子連れてきてどうしちゃったのよ〜!」
どこか嬉しそうな店員さんの言葉に、私は思わず「えっ…」と小さく声を上げた。
か、かわいい…!?
そ、それって私のこと…?
そんな…ありえないよ…!
そうは思ったけど、言葉にはできなくて俯いた。
「…まあ。それよりショートケーキひとつお願いします。」
穂先輩は嬉しそうな店員さんを軽くかわすように注文をはじめた。
穂先輩の表情が、どこか照れくさそうなのは気のせいかな…?
「あら?は〜い!」
店員さんも穂先輩の様子に気がついたのか嬉しそうな表情のまま首を傾げたけど、そのままオーダーシートに記入を始めた。


