ううん…穂先輩が、私のことを支えてくれたの。
何もしてないだなんて、そんなことない。
「…それに、あのふたり、前から私のことを気になってたって言ってくれて…。」
こんな私をそんなふうに思ってくれていたこと、本当に嬉しかった。
「…わかる。」
「えっ?」
ぽそりとつぶやいた先輩の声が聞き取れなくて、私は穂先輩を見上げた。
「あ…いや。それより、本当によかったな。ほたる。」
けれど、穂先輩はなんでもない、と言わんばかりに首を横に振ったので、私もそれ以上追求せず。
「はいっ!」
穂先輩の言葉に、大きく首を縦に振った後。
「…今日一日、ほたるのことばっか考えてた。俺。」
私は、ぴたりと足が止まる。
穂先輩も足を止め、私の方を振り向いた。
「へ…?」
先輩、なんて言ったの…?
今のは…その、聞き取れなかったわけじゃないんだけど。


